【 南国九州の蒸機をたずねて 】

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【 山野線の貨物列車490レを牽くC5691 】

今日も山野線での貨物運用に忙しい吉松機関区C56の仕業番号31薩摩大口行き490列車がトコトコと機関庫前を走り抜ける。10時17分に吉松を出発して11時14分着。終点ではちょうど2時間を費やしたのち、 491列車として15時07分に戻ってくる軽貨物列車。山野線はここ吉松から隼人方向に1駅の栗野から分岐して鹿児島本線水俣まで、途中、鹿児島との県境(久木野〜薩摩布計)には大川のループ線などの難所もあったが 1988年に廃止されている。C56は小海線で活躍していたことから高原でのイメージが強く、いつしかポニーという愛称で呼ばれた簡易線専用蒸機で91号機は内地向けのトップナンバー。90号機までの戦地向けC56 はメートルゲージ(軌間=1000mm)で炭水車の形状やドームの高さに違いが見られる。またキャブ屋根が平坦になっており、そこに機銃の台座が据えられたそうだ。泰緬鉄道クワイ川鉄橋の保存機1両と1979年に復員した靖国神社 の31号機や大井川鐵道の44号機にその姿をとどめる。ポニーの愛称と現実とのギャップには驚く。
(吉松〜栗野・1970年 8月 8日撮影:T.S/解説:T.S)

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