【 南国九州の蒸機をたずねて 】

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【吉松駅の風景】

「よしまつ・よしまつ・よしまつ・よしまつ、ここはよしまつぅ・・・」とい う駅員のアナウンスに迎えられて到着した吉松駅。肥薩線に吉都線が合流し、山 野線のC56も出入りするなど賑わいがあった。そのむかし、肥薩線は旧鹿児島本線 、吉都線は旧日豊本線だったというのだから、それもその筈と言えよう。写真は 、門デフ装備のC55に牽かれた吉都線の鈍行列車が都城に向けて出発するところ。 前方の山並みの手前を右に折れると都城、真っ直ぐに登りつめると矢岳越えであ る。客車のキャンバス屋根の質感は模型作りの参考になるだろうか?

T.S 追記… この項3駒目のC5552の文中挿絵に同方向を眺める30年余り経った現在の風景を紹介している。 当然のことながら給水塔は無く、広い構内も撤去された線路跡を雑草が埋め尽くす。この先、真幸、大畑スイッチバックの引上線ではせいぜい2両 のDCが入線可能。それより奥は雑草どころか樹木の幹が線路上を被いSL時代のような編成の列車はここ何十年も走っていない事を物語っていた。また前頁と前々頁の矢岳大畑ループ越えのシーンも当時は一帯が草原で草を踏みしめながら撮影地に向かったと記憶している。車窓から見る限り現在は線路際まで樹木が生い茂って写真のように開けた風景はなかった。30余年もの歳月がこうも風景を変えてしまうものかと驚く。

(吉松駅・1970年 8月 8日撮影:K.W/解説:K.W/補足:T.S)

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