【 点描…大阪駅と周辺のそのころ 】

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【 和歌山線のキハ35 】

有吉佐和子の小説で有名な一級河川の「紀ノ川」。ほぼ紀伊半島を横断するように流れるその川に沿って走る和歌山線は1984年の電化までキハ35系とキハ58など気動車が行き交う通勤路線だった。 ここ橋本では南海電鉄高野線と交差して乗換の乗客も多く、当時より単線路線としては過密なダイヤで運行されていた。キハ35は1961年に非電化通勤用として登場したロングシートの気動車で 通勤電車101系を基本として設計され、乗降時間短縮を計るため幅広両開3ドアとしたが低い客車用ホームの路線に投入するためステップが必要となり、戸袋がない外吊式としたため何とも 無骨な感は否めない。1963年には塩害対策としてオールステンレス車を試作するなど、関東関西の近郊路線ではあれほど幅を利かせていた同系式も半世紀の時を経て、なおも現役で活躍するのは JR久留里線と関東鉄道常総線の仲間だけとなってしまった。
(橋本付近・1975年3月18日撮影:K.W/解説:T.S)

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