【 最後の砦・呉線 】

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【 糸崎駅で入換作業中のC50 88 】

糸崎〜広島間はC62からC11までさまざまな形式の蒸機が活躍していたがC50は既に本線運用から外され入換作業が主な仕事場であった。 そのため黄色のシマ模様の塗色となり当時それをゼブラキッドと呼んでいた。そのC50もDD13の進出により廃車がすすみ広島では赤く錆びた 休廃車群を形成していた。 そんな虐げられていた存在の同機でも蒸気室空気弁カバーと安全弁が妙に磨きだされ輝いていたのが印象的だったのを記憶している。 これも厳しい投炭訓練に耐え育まれた叩き上げ乗務員の機関車に対する思いの表れといえるだろう。2006年には庫内手から機関士となった川端機関士の 回想録体験談を綴った「ある機関士の回想」が出版されたが、長い下積みを経たからこそ機関士という職業に誇りが生まれたのだろう。まぁ少なくとも 何処かの復活蒸機のようにボイラのヘソを溶かすなんぞ直ぐに当時の機関士達の嘆きが聞こえてきそうだ。
(糸崎駅 1969年 8月 16日:T.S/解説:T.S)

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