前頁と同様、海田市駅を発車しすぐに瀬野川をわたるC59161。蒸気室点検蓋が開きっ放しなのが気になるが、そんなことはお構いなし。焦らずゆっくりと過ぎ去った。 そんな呉線も早朝の広駅では大型蒸機が大競演を繰り広げる。季節によってはまだ夜が明け切らぬ5時、C59が牽引する下り寝台急行「音戸1号」301レ の通過を皮切りに1日が始まる。 シーズンによって「音戸51号」が、続いて「音戸2号」が通り過ぎたその後、広島へ向かう蒸機牽引の通勤列車3本が横一に並び、前後あわせて下り5列車の蒸機が待機する。そして順次、 立て続けに発車する大型蒸機は過密ダイヤの焦りからか、動輪に砂を撒きながらも派手に空転を繰り返しながら必至に最大加速してゆく。慌ただしい光景が7時28分の621レ 発車まで続いた。 そんな都会並の慌ただしさをみせる呉線も、その時間帯を過ぎれば閑散とし本来の落ち着きを取り戻す。マスコンひとつでスムースに加速する通勤電車とは違う乗務員の苦労があった。 |
![]() |
![]() |
![]() |