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【 C59164牽引 広島行 寝台急行「安芸」 】

むんむんと噎せ返るように暑い夏の日。あと1ヶ月に迫った電化完成直前の呉線。大型蒸機最後の勇姿を撮影すべく小屋浦付近のトンネルに向かった。架線工事の際に補強されたのか、残念なことに 石積みのトンネルポータルは真新しいコンクリートで覆われ脇に辛うじて従来の積み石が覗いているだけ。汚さぬようにか遠慮がちに煙を吐き、下り急行「安芸」が通過していった。電化後は低規格 のトンネルは放棄され戦中に中断された複線化計画の為に掘削されていた新トンネルに切り換えられた。このあと暫くして164号機は長いあいだ馴れ親しんだこの地を後に梅小路蒸気機関車館で保存のため 一時整備保管の奈良機関区へと旅立っていった。
(小屋浦付近・1970年8月16日撮影:T.S/解説T.S)

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