機関区や駐泊所では蒸機機関車だけに特有の設備が沢山存在した。転車台、扇形庫、給水塔、給炭塔、スポート、給炭台、アッシュピットなど他車種には不要だったり無意味だったりで蒸機機関車の全廃に伴って その殆どが撤去され、現在ではホーム端の煉瓦造り給水塔など朽ち果てながらも辛うじてその姿を留め遺構として残る数少ない設備は人気となっている。時代が移り変わり機関車の動力が電気やディーゼルエンジンに変わっても、 線路に砂を撒いてその摩擦で動輪の空転を抑えるのは同じ。この写真は空気圧で砂を補給する設備に横付けしたC59164。ドーム後側の砂箱蓋がまだ開いたままで、作業途中なのが判る。インドの蒸機などで 今でも見られるが古くは機関車のフロントデッキに専用の砂撒き要員を配置していた。今では砂の代わりに酸化アルミの粉末を撒くものもあるそうだが、クルマのワイパーと同様、当初から進歩ない実に原始的な原理であること に変わりない。 |
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