【 最後の砦・呉線 】

hiro_d51760a.jpg

【 休車直後のD51760 】

古くから海軍の鎮守府がおかれ軍港の町として栄えた呉。軍需物資の輸送には貨物標準機のD51が主役だったに違いない。現在でも第一潜水隊群や第四護衛艦隊を擁する造船と基地の町であることに 変わりはない。糸崎機関区の西側で無火状態のD51760号機。メインロッド、コンビネーションレバー、ユニオンリンクが外されているが、外観上は綺麗な機関車でこのまま廃車なのか単なるメンテナンスなのか、 その時は分らなかった。後日、車歴を調べると1970年11月28日付で廃車となっていた。おそらくこの写真は火を落としロッドを外し、休車になったばかりの状態で、こののちナンバープレートが 外され機関区の隅に移動放置されジャーナルに藁が巻かれ錆付いて3ヵ月後に廃車となったわけだ。その後、保存リストにも同機の番号が記載されることは無かった。隣接するセメント工場(山陽白色セメント) にそびえる2本の煙突は現在も当時と変わらぬ姿を見せている。
(糸崎機関区・1970年8月16日撮影:T.S/解説:T.S)

Thumbnail

ホーム 前 次