【 最後の砦・呉線 】

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【 山陽本線 C62 48牽引下り323列車 】

呉線で活躍した大型蒸機が山陽本線の列車にも使用された。セノハチで登り勾配となる上りの運用はなく呉線経由で糸崎へ行った機関車を広島区へ戻すための機関車回送を目的とした運用と思われるが本線での蒸機牽引は この下り普通列車1本だけが存在していた。1962年5月には電化された幹線での蒸機牽引定期旅客列車の運用で、このころ試作機だったEF90をベースに一次型のEF66や月光型と呼ばれた581系と583系が 最新鋭として登場、これらの優等列車に混じって颯爽と走っていた。元々、幹線特急用の大型蒸気機関車のC62にとっては正に水を得た魚といったところだが東海道、山陽路ではこれが最後の定期運用となった。 蒸機時代は八本松をサミットとする下り列車に対する登り勾配には糸崎からこの白市駅まで後補機が付くこともあり待避線はその名残。白市駅を15時ちょうど、傾きかけた陽光に向かってC6248号機がドーム脇から 激しく蒸気を吹き上げ、汽笛一声発車する糸崎発広島行普通323列車。
(山陽本線 白市駅 1969年 3月29日撮影:T.S/解説:T.S)

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