瀬野から列車を後押ししてきた2機のEF59は無事難所を過ぎてその任務を終えると列車を停めることなく自ら連結器を解放して 再び麓へと戻っていく。自動連結器は運転室内より操作し、解放テコを押し上げて行うがそのためのシリンダを装備していた。 写真でも連結器の向かって左側、小さなシリンダからつき出したロッドが解放テコを押し上げている様子が伺える。EF56を改造した20号機以降の2次型では当初より、またEF53から改造の1次型は順次ジャンパ管 も解結する電空式密着自動連結器に付替えられ厳めしい顔つきとなったが、この8号機(EF537改造)ではまだ自動連結器のまま従来の姿を見せていた。大阪への帰路、EF58に牽かれた臨時急行[音戸52号] 客車スハフ12最後尾デッキより撮影したものだが、いま連結部を挟んで向き合っていた機関士の顔がみるみる遠ざかる。思い起こせば四半世紀も後の映画ではあるがスティーブン・セガール「暴走特急」のワンシーン を彷彿させるような不思議な瞬間であった。現在では西条駅で停車して解放されるため、このような光景を見ることはできない。 |
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