ドレインを切りながら15時ちょうどに広島駅を発車するC59牽引上り寝台急行「安芸」。この先、難所の瀬野から八本松、通称セノハチを避けて幹線規格の線路をもつ呉線経由で東京へ向かう。 東京到着は翌朝の6時40分だった。広島機関区と糸崎機関区の蒸機が非電化の呉線と山陽本線・糸崎〜広島の一部列車を担当しており急行「安芸」も糸崎までは蒸機が担当しEF58にバトンを渡す。 宇品線や芸備線でも蒸機が使用され、広島駅周辺は昼夜を問わず行き来する蒸機や機関区から聞こえる汽笛の音で溢れていた。広島を拠点とした今回の旅行、夜更け床に付いても聞こえてくる何とも 物悲しげな低い汽笛の音色は旅情をかき立て郷愁を誘うものだった。それもあと僅か、呉線電化まであとひと月あまり。 |
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