【 最後の砦・呉線 】

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【 交換待ちC59164牽引624列車 】

広島から意気揚々と624列車糸崎行きに乗り込んだ。この列車は早朝5時50分に広島着の寝台急行「音戸」301レ を牽引してきたC59を糸崎機関区へ戻す仕業番号1の運用で今日は164号機の担当だ。 呉駅ではさっそく下り鈍行633Dレとの交換で数分間の停車。ホームへ降りて撮影したのがこの写真。連結器の脇、解放テコに小さなシリンダが見えるが、これは走行解放を可能にする装置。八本松をサミットとする セノハチの反対側、つまり下り列車に対しては本郷駅あたりから緩い登り勾配が八本松まで延々と続く。蒸機の時代、重量貨物列車や繁忙期に客車を増結し定数の大きな急行列車は速度が遅くダイヤに遅れを生じた。 その為、糸崎から白市駅までC59による補機がついた時の名残。本項の4段2列目に白市駅を発車するC6248の写真では、立派な待避線が写っている。補機の切離しや重量貨物列車を待避させるために使われたのだろう。 そして待避線での補機切離しの際に解放テコのシリンダ装置が使用されたのだろうか?梅小路蒸機機関車館で保存される同機には、当時のままこの装置が残されている。
(呉線・呉駅・撮影:1969年 3月 29日/解説:T.S)

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