【 最後の砦・呉線 】

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【 出発待のC59164 】

夜行急行「音戸51号」で早朝の広島駅に到着した。中学入学以来W氏が填っていたこの趣味がきっかけで意気投合したT、男2人での初旅行で弥次喜多道中だった。EF58に牽かれ大阪駅をゆっくりと動きだした客車は スハ43だったと思うが記憶は定かではない。狭いボックスシートに姫路の手前ではもう尻が痛かった。初めての機関区訪問を目的とした個人旅行で逸る気持ちと興奮で眠れずにずっと車窓の流れと会話に夢中になっていた。 井笠鉄道も残っていた笠岡駅ではそんな事も知らず駅舎本屋に掛けられていた兜ガニの剥製に感動し、三原駅では窓を一杯に開き立ち売りの駅ソバを買い込んで舌鼓をうち、降り立った広島駅1番ホーム。反対側0番線で目 にする宇品線C11+C58に更にテンションは上がった。そして訪れた機関区で初めて目にするC59やC50。散々、鉄道雑誌や中村由信氏「日本の汽車」(1968年刊)で何度も何度も写真では眺めていたが、実物を目の 当たりにしたその時の衝撃は忘れられない。あれから早くも40余年が経った。振り返れば余りにも早い時の流れを嘆く今日この頃だ。
(広島第2機関区・1969年3月28日撮影:T.S/解説:T.S)

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